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AX 伊坂幸太郎 (角川文庫)

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久し振りに伊坂幸太郎さんの本を読みました。
かなり前に死神の精度を読んだのですが、なんだか読み辛くて当時は最後まで読めませんでした。
理由はよく思い出せませんが、今回は最後まで読めましたよ😌

評価

私は亭主関白ではありませんが、恐妻家でもありませんので主人公の気持ちはよくわかりません。
でも、最後のまとめが妙にアッケラカンとしていて、気持ちが晴れるような物語でした。

なんとも言えない、不思議な残り香を感じる物語でした。

読みやすさ:3

最後まで読めましたが、やはり得意ではないです。
何が?と言われると答えられないのですが、ほんの少しだけ遠回りな表現が、私にとってはちょっとだけ難しく感じさせるのかもしれません。
全体的には抑揚があって、読み終わったときにすんなりハイライトを思い出せるので、書き手の個性ですかね。

深み:3

「設定勝ち」なところがあるので、深みはそんなに感じなかったです。
主人公の行き過ぎた恐妻家精神と、殺し屋の裏稼業というとっても離れた個性が同居しているのが面白いです。

爽快感:4

とても淡々と物語は進んでいくのですが、後半で主人公の経緯と家族に対する思いが綴られます。
最後は息子が物語を引き継ぐのですが、亡くなった父親との共闘のように締め括られる部分は心に響きます。

曇天感:4

両手を突き上げて「やったー!」と終わる物語ではないです。
かといって項垂れて「読んでしまった。。。」とぐったりするほどでもない。
不思議な後味です。じんわりと振り返る時間が心地良い読み味でした。

哀愁感:5

なんといってもこの本から感じられるのは「哀愁」です。
主人公の寡黙ながら愛に溢れた行い、その反面真っ黒な行いもあるためにとても極端な事実が共存しています。
そして、そんな裏稼業を知らない家族。
主人公は絶対に家族に知られてはいけない、とひた隠しにしますが、最後は息子と共に諸悪を退治します。
報われない最後ですが、だからこそ息子の心に深く残るものがあったのかと感じます。

総評

何度も読み返したい、とはなりませんが、心に残る作品でした。
それほど深くない人間関係で描かれた、結構ライトに読める本なので、軽く伊坂幸太郎さんの雰囲気を知りたい人には丁度良いと思います!

AX、オススメです!

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