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【SIerってなに】

SIerとは

SIerとは

個別のサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させるシステムインテグレーション事業を行う企業のことである。

とな。
学生の方々と話す機会がちょくちょくあり、SIerやSaas企業について聞かれることが多いので調べてみました。
私は9年強、中規模SIer企業で働いていたのでSIerについては理解しているつもりでしたが、Wikipediaさんの説明はイマイチしっくりきませんでした。
というのも、SIerとまとめてしまうには難しい業態だからでしょうかね。

SIerに期待されること

顧客からSIerに期待されることとしては、顧客が「あれしたい、これしたい」という要望に対して、システムでどう実現可能なのかを提示、実行することだと思っています。
特にプライムベンダーや一次請けと言われる企業はそうではないでしょうか。

二次受け以降の企業ですと、求められる業務が結構異なります。
少なくとも私はそうでした。

一次請け企業は顧客との折衝や提案業務に始まり、システム開発の実行フェーズに進むとプロジェクトマネジメントが主な業務になります。

二次受け企業ですとシステム開発が主な業務になりますので、設計からプログラミング、テストといったところが求められます。

会社によって違いはあれども、大きくは一次請けと二次受け以降で業務が違うよね、というのが私の印象。

SIerが売っているモノ

労働力、、、とは言いたくないですが、事実上そうなってしまっている企業はちょくちょく見かけます。
特に定型作業に落とし込める、設計以降のフェーズに投入される人たちは残念ながら「替えがきく」人材ですので、結果的に労働力を提供していることになるかな、と思います。

非定型な提案だったり顧客折衝を主戦場とする一次請け企業の場合は、仕事に個性を持ち込むことが可能なので、そこでバリューを発揮できているのなら「替えがきかない」人材と言えそうです。

しかしいづれも"SIer"とひと括りにされてしまいますので、就職活動や転職活動をされる方は注意が必要です。
言うまでもなく市場価値が高いのは後者ですが、どんな働き方をしたいかは個人の好みですので好きな方を選べばOKです。

そして、一次請け企業が売っているモノは技術力というよりは、「要望を実現する能力」かな、と私は思います。
プロジェクトマネジメントも大事ですし、システムの開発能力も大事です。
それらを一次請け企業が整理して、自分たちはマネジメント頑張るから、二次受けのXXX会社の方は設計、YYY会社の方はプログラミング頑張ってもらおう、みたいな「どうやったら実現できるだろうか」の交通整理をするのが一次請け企業の売っているモノなのかな、と。

SIerに必要なこと

就職活動をするうえで、「自分に適正はあるのだろうか」だったり「自分の個性が活かせるだろうか」と悩まれるかと思います。
私が考える、SIerに必要な能力は以下です。

  • 粘り強く、詳細に思考できる
  • 点と点をつなげる、推察することができる
  • 新しいモノが好き

最後は能力というか適正になってしまいましたが、流行り廃りの早い業界ですので、新しいモノ好きで色んな情報にアンテナを張ることを苦にしない人が向いているのかな、と思います。

敢えてコミュニケーション能力を上げませんでしたが、SIerの場合は自分の意思だったり仕事の状況を伝えられればなんとか及第点だと思うからです。
この辺、ITコンサルとなると話は別なので要注意です。

SIerの未来

私の身の回りでもローコード、ノーコード開発が導入されるようになり、AIを利用した業務改善も耳にするようになりました。
各業界のリーディングカンパニーはこの先、少しずつクライアント別のカスタマイズや、スクラッチ開発を嫌がるようになると思います。
ローコード、ノーコード開発を利用したアジャイルなPJ進行が国内で増えていき、SIerが開発を担う機会は減っていくのではないでしょうか。

そうなった際に、技術が好きでSIerになった人はSaas企業に流れていくかもしれないし、一気にマネジメント志向に塗り替えられるかもしれません。
もう少し先の未来だとは思いますが、昔ながらのウォーターフォール開発一択ではなく、多くのPJ事例によって、PJの特性に応じて選択するのが普通、という流れになって欲しいなと思います。

今よりもっと働きやすい業界になると良いですね。