ちょっと前の記事では、SIerってどんなことが求められる仕事なのか、簡単に記事にしてみました。
今回は、SIerで学べることと、学べないことについて整理してみます。
SIerで学べること、学べないこと
そもそもSIerとは
私は、IT業界は大きく2つ、SaaS企業とSIer企業に分かれると考えています。
ITコンサルはコンサル業界の一部、と捉えているので今回は割愛します。
その2つの企業、もといビジネスモデルは
- 自社サービスで利益を上げる
- 客先へのシステム導入で利益を上げる
という分け方ができます。
働き方も随分異なります。
前者は自社出勤が中心で、後者は客先常駐が多いですね。
昨今のコロナ禍の影響で、どちらもリモートワーカーが増えているでしょうから、ロケーションについては差が小さくなっているかもしれません。
今勤めている会社も、条件が揃えばフルリモートワークにすることが認められるようになりました。
幸か不幸か、働き方が大きく変わりましたね。
SIerで学べること
早速ですが、SIerで学べることは
- プログラマーからプロジェクトリーダーまでのキャリアパス
- SIerというビジネスモデルのメリットとデメリット
- 多くの人を動かすためのマネジメント
と、結構幅広く学べるんじゃないかな、と感じています。
私自身は10年近くSIerとして働いてきましたので、実感として上記の3つは固く学べる環境だと思います。
なかでも大規模プロジェクトで多くの人を動かすためのマネジメントが学べる、という点がキャリアパスにおけるメリットですね。
SIerで学べないこと
私はSaaS企業に勤めたことはないので、キレイな対照はできないのですが、
- 技術1本で生き抜くキャリアプラン
- UI/UXドリブンのシステムデザイン
- ユーザビリティを意識したデザイン
などは学びづらいと思います。
そもそもSIerのキャリアパスとして、出世=プロジェクトマネージャーになること、というテンプレになっているので年次を重ねるとともに技術からは遠ざかっていきます。
また、SIerは基幹システムを取り扱う仕事が大半ですので、所謂"社内システム"の導入や開発が対象となります。
クライアントの社員だけが利用するシステムですので、はっきり言ってデザインはクソダサいです。
超無骨で、カッコよさの欠片もありません。
業務が実行できればそれで良しなので、デザイン性は不要なのです。
業務に直結しないところにお金をかけないでくれ、というのが社内システムです。
結果、SIerはUIデザインはできません。
JavaやOracleとか、サーバーサイドの知識と経験は豊富だけど、JavaScriptやCSSなどのフロントエンドは何もできません、という人はザラにいます。
"使いやすさ"とか"伝わりやすさ"というのはSIerでは学びにくいでしょう。
SIerとSaaSどっちがいいの?
結論、個人の好みです。
私は一つのサービスを長く開発し続ける、というのが難しい性分だろうと自己分析したので、定期的に業界、業種を変えながら様々なクライアントに関われる仕事のほうが新しい経験をする機会が多いだろうと思い、SIerを選択しました。
実際、金融や公共、Web系も少しだけ経験させて頂けたりと期待通りでした。
SaaS企業はプロダクトマネジメントやユーザーに対するアプローチが全く異なると思いますので、それはそれで楽しい経験だろうと思います。
自分が関わった製品がパブリックに公開されるのも、SaaS企業の醍醐味でしょう。
どちらもメリット、個性があります。
さいごに
SIer目線から学べること、学べないことを整理してみました。
会社によって文化や方針も異なるので、学べることにも差が出てくると思います。
その辺は自分でしっかりリサーチして抑えていくしかないので、就活、転職活動の際は時間をかけて良いところです。
どっちが得か、ではなく自分の個性に応じて選択することが肝心ですね。