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現役ITコンサルタントが技術や育児情報を紹介するブログです。

SIer/SEに必要な能力とは?

偶には真面目な話。
思うところあったのでまとめてみました。

会社のお話も絡んできますが、もちろん全ての企業が同様ではないです。私の目に映る範囲の事実として知って頂けると幸いです。

入社〜現場配属

弊社はSIer企業で、自社開発製品はありません。
なので、新卒で入社して3ヶ月の研修を終えると、いきなり現場配属となります。

よく、「弊社は研修内容が充実!」とか「即戦力になれる研修をします!」という求人を見かけますが、それはなかなか難しいんじゃないかな、と思います。

別に批判したいわけではありません。

私は、研修で満たせる緊張感は、現場には遠く及ばないと考えています。

納期、品質といった(特に駆け出しだと)外部から与えられる基準に対して、どれだけ会社の看板を背負って対応できるか、というところが顧客の見ているポイントです。

だって、研修はお金払って受講するけど、現場配属されればお金をもらって働くわけですからね。

全く異なる切迫感があって然るべきです。
(なんか私にも刺さるな、、)

お金の問題

SIer、SESなどにおいては、客先常駐で働くことが多いと思います。
この場合自社開発と比べて、やはりお金がチラつくことが多いのではないかな、と思います。

自社で働くのと、顧客からお金をもらって顧客のいる社内スペースで働く、というのは結構違いがあるものです。

少し極端な話をします。
概ね、遅くとも契約は一ヶ月以上前に結ばれるものです。
9月1日からのお仕事の契約は、7月下旬には決まっている、ということです。

で、多いのか少ないのか、統計まではわかりませんが私の周りでは単月契約も珍しくありません。
顧客が一ヶ月100万円で私と契約したとします。
一ヶ月は20営業日と数えると、一日5万円が発生することになります。

新入社員だろうが、客先常駐で働く場合は「こいつ一日5万円分働いてんのか?」という目に晒されるわけです。

最近はそこまで厳しい人は減った印象がありますが、会社によっては結構"詰めてくる"人もいます。

SIer企業に入社する場合は、現場によっては結構なストレスと戦うことになります。

根性は私は嫌いですが、ストレスと上手く付き合う術は、早くから身につける必要があるかな。
休日はちゃんと休んで、発散する趣味を持ったほうが良いです。
私は体を動かすのが好きなので、学生時代から続けてサッカーをしています。
ここ3年くらいは、ゴルフもするようになりました。

これは能力というよりは、アドバイスになってしまいましたが。

スキルの問題

現場で働くようになってすぐ感じるのは、おそらく自分の無能感ではないでしょうか。

私はそうでした。

「マジでなんもできん。。」
「これ、さっきも先輩に聞いたけど全然頭に入ってこない。。」
「エラーログ見ても意味わからん。。」

などなど、様々な負の感情が巡ります。
そして、技術屋になる人はそんなにコミュニケーションに自信がある人は少ないです。

近くに手厚くフォローしてくれる先輩社員がいないと、途端に孤独との戦いになってしまいます。

教えてもらえてないんだから、できないのは当たり前なんですけどね。

前述の「顧客の厳しい目」とコンボになったら最悪です。

「あの新人、生産性もなければ品質も担保できないのか」
「先輩社員とも上手くやれていないようだし、切るか」

となる。
こうなってしまうと、本人は何も悪くないのに妙なスパイラルにハマってしまい、社外からの評価はもちろん、社内での評価も、守ってくれる人がいなければダダ落ちになってしまいます。

点と点をつなぐ力

長くなりましたが、面倒くさいので結論から。
私の思うSIer/SEに必要な能力は断片的な情報をつなぎ合わせる能力だと思っています。

この能力があれば、どこに行っても活躍できます。
しかも、個人的にはこれは後天的にでも身に付けられると思っています。

点はいつかつながる

現場では知らない言葉が毎日飛び交います。
調べても調べても理解出来ない状態が続くことになります。
先輩に聞いてもナマクラな答えしか返ってこないし、じっくり腰を据えて教えてもらうこともできないから、その場しのぎの対応しかできません。

なので、点は点のままでいいので、しっかりとその点のように感じられる情報を理解することが重要です。

語弊があるかもしれませんが、全部をわかっていなくたって、コーディングはできてしまうものです。
これもまた極端ですが、四則演算ができるならコーディングもできると、私は思っています。

コーディング自体はなんとでもなるでしょうが、そこからのステップアップとなるとそうはいきません。
自走して仕事を進めるにはエンジニアリングが必要です。

そのためには点をたくさん抱えてコップに入れておいてください。
そのうちコップの底が点で埋まって面になる日が来ます。 そしていつかそのコップが満たされれば自然と点がつながって、自分の強みになっているはずです。

もしかしたらどんな仕事でも同じかもしれませんが、最初はできなくて当たり前なので根気よく続けることが大切です。

でも、体と精神を壊すのは駄目ですよ。
ちょっとでも危険を覚えたら、必ず誰かに相談してください。

どうしたら早く点をつなげられる?

じゃぁ、どうやったらその点を早くつなげられるのか。
ずばり、疑うことです。
どんな点に関する情報も、
「本当か?」
「先輩はあぁ言ってたけど、本当にそうなの?」
「テストOKって書いてるけど、何をもってOKって言ってんの?」
「先輩がOKって言ってるけど、なんでOKなの?何を確認しているの?」
と、いろんなことに疑問を持ってください。

あぁ、そういうものなんだ、と受け入れてしまうと成長はありません。

受け入れずに、疑問を感じることは
自分の現在地を正しく把握する
ことにもなります。

自分の現在地がわかる、感じられるのなら先輩社員との距離も、正確ではなくとも運動場の端と端なのか、地平線の向こうなのかくらいはわかるはずです。

そうなれば、あとは(古臭いですが)精進あるのみです。
自分の興味ある分野や、先輩と比べて劣っている分野を学べば距離は間違いなく縮まりますよね。

さいごに

30半ばになってしまったおっさんにとっては、新入社員は一回り離れていることになります。
おじさん悲しい。まじで。
良くも悪くも、とっても素直な人が多いです。

おっさんのような性悪はいません。

でも、良い意味で物事を疑ってください。

自分を取り巻く環境、周りの言うことは正しいですか?
自分の望んだものですか?不満はないですか?

中途半端に折り合いを付けてはいけません。

人生を懸けて、自分を作り上げるのが最高の人生だと思います。
一緒に頑張りましょう。