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【レビュー】ホムンクルス

homunculus-movie.com
どうも実写映画化されるそうなので、興味が湧いて大人買いしました。

  

評価

映画ではカテゴライズが難しそうで、サイコミステリー?としているみたいですね。
個人的には推理するようなミステリー要素を感じないので、サイコフィクション?みたいな感じかなと。
取り扱っている題材はとても興味がそそられ、現実と妄想(本人にとっては現実ですが)が混濁した世界が面白く表現されていて楽しかったです。

最初は画風が受け付けなかったですが、慣れれば意外と読みやすかったです。

読みやすさ:5

トレパネーションというサイコな話から始まり、それを通して語られる人間模様がとても面白かったです。
回収漏れなフラグがあちらこちらに見受けられなくもないですが、ちょっと不完全なくらいが読後感を盛り上げてくれるのも事実ですので、私はあまり考えすぎることなく読んだことで楽しめました。

深み:4

一応4にしてみましたが、人の精神状態を書き表した歪な模擬人間が特徴的だったので、その興味深さに引っ張られて4になっていることは否めません。
物語そのものに深みがあるというよりは、もしこんな風に世界を捉えることができたら、どんなことになるだろう?という妄想が膨らみますね。

爽快感:1

爽快感は一切ありません。
分かりやすい「敵」が登場するわけでもないですし、何かを達成する物語でもないです。
ただ、人間の歪んだ精神を解きほぐすような物語ですので、スッキリ感は求めないでください。

陰鬱感:5

わかりやすくゴールのある漫画ではないので、途中で飽きるというか、「もうこのわけわからん描画は腹いっぱいだよ」となってしまいます。
そこから感じる人間模様の陰鬱感が、この漫画の一番の楽しみどころなのですが、映画でどのようにこの陰鬱感を表現してくれるのか楽しみです。

尾を引く感:4

最後は「えっ、これで終わり?」という感じですので、主人公はどのようにしてあぁなってしまったのだろう、とかどんな人生を歩んであの心境に辿り着いたのだろう、とか色々考えてしまいます。
人間の精神が擬似的に見える、という不定形なものを取り扱った故かもしれませんね。
こういう、人によって捉え方が変わる物語は大好きです。

総評

映画化される際は、どんな音楽が挿入されるのかとても気になります。
荘厳さは似合わないですし、重厚感がありつつも勢いのない、ねっとりとした世界観に見合った音楽だったら終始楽しめそうですね!
(総評じゃなかった)

ホムンクルス、とてもオススメです!