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【書評】惡の華(漫画)

久しぶりに痺れる漫画でした。

惡の華(1) (週刊少年マガジンコミックス)

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評価

2009年の漫画みたいですね。
で、全部読んだ上で実は映画化されるようですが、あまりにイメージとかけ離れたキャスティングだったので私は観ません。
多分、これは漫画のままにしておくのが良かったんじゃないかな。

久しぶりに漫画を読みました。
何が切っ掛けで惡の華という漫画を知ったのか、もう覚えていないのですが、大変に突き刺さる漫画でした。

読みやすさ:4

"読みやすさ"という見出しにしてしまいましたが、とても引き込まれるストーリーなので3巻までは無料で読み進めて、その後は一気買いしてしまいました。
内容は読みように寄っては濃いのですが、サラッと読むこともできるので比較的読みやすいです。

深み:5

一見すると典型的な中二病漫画にも見えてしまうのですが、人生を変える腕力の足りない少年少女が、どのようにして藻掻き、足掻くのかが非常にダイナミックかつ叙情的に描かれています。
誰しも大人が大嫌いだったでしょうし、またそれを発散することもできずに悶々としていたのではないでしょうか。

私は結構天の邪鬼なので、やれと言われたことはやらず、やるなと言われたことは嫌がらせのように嬉々としてやっていました。

本作はやるとこまでやっちゃうとこうなりそうだな、を見せてくれています。

爽快感:4

普通ならそうしない、そこまでできない、ということをストレートにやり切ってくれます。
そこはとても爽快感があって、スッキリしますね。
ただ、スカッとすることが目的なストーリーではないので、常に喉になにか引っかかって次のページを捲りたくなる漫画です。

私も腹立つ教師に「クソムシ!」って言ってみたかったな。。

鬱屈感:5

とにかく鬱屈感と戦う少年の話です。
恋愛要素もあるっちゃありますが、そこが肝要ではありません。
物語のツナギでしかなく、結局は自分をどう表現したらよいのかわからない、力の有り余った少年少女の話なのかな、と感じます。
高校生くらいのときに読んでいたら、だいぶ影響されていたと思います。

伝えようのない怒りを常に抱えていましたし、いつも何か飢餓感を感じていました。

そして、その感覚を失ったら周りのアホみたいな大人になるのだろうな、と直感的に理解していました。
(実際そうだった)

正義:5

この物語の根底には、なにか正義を感じます。
勧善懲悪とまでは言いませんが、
「お前らほんとうにそんなんでいいの?」
とか
「これやって意味あんの?」
という純粋無垢な疑問を飲み込んで過ごしているボンクラな人間に囲まれて、そんなみんなで手を繋いでるから失敗しないよね!という空虚な安心感に満たされている恐ろしさを明らかにしてくれます。

きっとそれは、私は正義だと思います。

総評

この漫画はちょっとはみ出過ぎですが、同じような感覚を持っている人は多いと思います。
みんなと一緒だからOK。
これやっても意味ない、私は好きじゃないって思ってるけど、みんなやってるからやっておくか。
っていう感覚は本当に無意味です。

一時的に「群れ」には受け入れられるだろうけれど、結局自立できなくて平々凡々な自我になってしまうと思います。

だからこそ、エンディングがちょっと物足りなかったかな。
その物足りなさを描くことが目的なのかもしれませんが、本当に久しぶりにハマった漫画でした。

描写が苦手な人もいるかもしれませんので、一気にまとめ買いしないで、3巻までは無料で読めるのでお試しになったうえで購入なさってくださいね!

惡の華、とっても面白かったです!

惡の華(1) (週刊少年マガジンコミックス)

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